うつ 諦めない・・・僕が仕事に復帰した3年間の道のり

うつ病になった事のある人・・・
うつ病になった事のない人・・・
おそらく、うつ病はなった事がなければ、その恐ろしさは理解できないだろう。
それは、外見を見ても、CTをとってもはっきりと表れるものではないからだ。
そして、その理解されない事・・・が病気を悪化させる一因でもある。
だが、【諦める】必要はない。
それは、克服する可能性があるからだ。
うつ病を克服出来れば、正社員として働ける可能性があるのだ。
僕は、以前うつ病にかかった事がある。
一時は全くベットから動けない状態となり、働く事が出来るまで3年という長い時間を要した。
そして、この3年の期間中、病気への認識の甘さから、何回か転職を繰り返した。
家族にもずいぶん迷惑をかけた。
もちろん、勤めた会社にも迷惑をかけてしまった。
今は薬は服用しているが、うつ病を克服し正社員として仕事に復帰している。
この期間を振り返り、同じ病気で苦しんでいる人に、少しでも参考になればと、この文章を書いている。
ここに3年間の復帰までの道のりをまとめてみた。

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うつの再発
20代前半に、初めてうつ病になった。
初めは、なんだか体の調子がおかしいという感覚だった。
具体的には、体が以上に重いという感じだろうか。
そんな日が続き、休みの日に急に全く動くことが出来なくなった。
横になったまま動けないのだ。
正確には「動く気力がない」という感じだ。
翌日、同僚に相談した所、「うつではないか?」と指摘され、すぐに病院に行った。
早期に病院に行ったのが幸いし、薬の効きも良く、すぐに回復する事が出来た。
そして仕事も続けることが出来た。
だが約10年後、二度目のうつ病になった。
当時は、家族の事情で収入を上げる必要があり、転職活動をしていた。
そしてやっとの思いで転職先が決まった時だった。
二度目のうつ病は一度目とは違い、薬を服用してもあまりよくならなかった。
その為、転職先どころか、その時に勤めていた会社にも行けなくなった。
うつ病が再発するまでは、正社員としてしっかり引継ぎをしてから退職しようと考えていた。
社会人として当然の事だろう。
だが、うつは悪化し通勤に利用するJRにも乗れなくなった。
その為、転職が決まってから、会社と相談し決めていた日程より1カ月近く辞める事になった。
その当時、僕はとても焦っていた。
なぜなら、「決まっていた転職先に入社するまでに、この状態を直さなければならない」という思いがあったからだ。
だが、転職先に入社するまでの間にうつ病が回復する事はなかった。
いや、むしろ悪化していた。
そして、うつ病の状態で転職先に入社した。
もちろん、正社員である。
しかも管理職という責任ある立場だった。
当時は、環境が変われば、すぐに良くなるという甘い考えをもっていた。
その為、病院には行かなかった。
この時の事は今でもとても後悔している。
だから、この文章を読んでいる皆様には、「うつ病」が再発したと少しでも感じたら、まずは病院に行って欲しい。
なぜなら、うつ病は早期に対処する事が、何よりも大事な事だからだ。
うつ病は1回目より2回目の方が、病状が悪化する可能性が高いと言われている。
だから、再発には特に気を付けてほしい。
それが、うつ病から、早く仕事に復帰する上でとても大切な事だ。
うつ病のまま正社員として働く
転職先では、最初は何とか仕事をこなしていた。
ただ、転職は環境が変わる為、健康な状態であっても、精神的に疲れるものだ。
それが、うつ病であれば、耐えられるはずもなかった。
また転職先はいわゆるブラック企業で、休みはなく、帰宅するのは午前0時を過ぎる事もあった。
それでも、自分の体調の回復を信じて努力した。
心の中に「絶対に良くなる」という想いがあった。
最初は体調とは裏腹に、仕事はスムーズにこなす事が出来た。
だが、出勤や午前中の仕事は本当に辛かった。
正直な所、いつか倒れてしまうのでは?と思っていた。
うつに関する書籍でも、午前中が調子が悪い場合が多いと書いてあるが、その通りの状態だった。
それでも午後からは体調が回復し、仕事に集中する事ができた。
だが、入社してから3カ月が経過し、既に心も体も限界だった。
ある日、通勤途中で目まいがひどくなり、倒れてしまった。
救急車で運ばれ、一週間入院した。
その後、家族の意見もあり、退職する事になった。
病院に入院すると、考える時間が増える。
その時に「自分はもうダメだ」と強く感じた。
もう、仕事に復帰できないと思っていた。
うつ病を克服する事も、正社員で働く事も諦めていたのだ。
いや、正社員というよりも、【働く事】が無理なのではないかと感じていた。
今思えば、その思いが自分を追い詰め、うつ病を悪化させてしまったように思う。
⇒【仕事に行きたくない】うつの危険!!チェックするべき3つの事
次の転職先
退院した後も、「うつ病」は全く良くならなかった。
だが、「すぐに働かなければならない」という思いにかられ、すぐに就職活動を始めた。
家庭をもっている人ならば皆同じだろう。
そして1か月後に就職先が決まった。
正社員としての入社だった。
だが、結局3カ月しか持たなかった。
そして次の職場も同じだった。
振り返ると、うつ病を克服しないまま、正社員として働く事は無謀だった。
もちろん、ある程度回復していたのなら可能だろう。
だが、そうでなければ、無理だと思う。
退職しても、すぐに就職できたのは、本当に幸運だった。
ただ、結果として転職先に迷惑をかけてしまうだけだった。
本当に反省している。
そして、退社を繰り返すたびに、自信を失い、うつ病も悪化していった。
この頃は、病院に通い薬も服用していたが、ほとんど効果はなかった。
医者からは、うつ病は、再発するとより治るのが難しいと言われたのを覚えている。
【再発すると治るのが難しい】というのは、本当にその通りだ。
なぜならうつの一度目と二度目とでは、比べものにならない程辛い思いをしたからである。
当時は、もう一生仕事に復帰する事が出来ないと真剣に思っていた。
だが、一方で諦めたくないという気持ちを何とか持つようにしていた。
それは、諦めると本当に終わりだと思っていたからだ。
TVの中のスーツ姿の人が、遠い存在に見えたのを、今でも覚えている。
⇒【ブラック企業 体験記】僕が体験してきた事 全て実話です!!
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うつが悪化し動けなくなった
3度の転職に失敗してからは、一日のほとんどをベットの上で過ごした。
1年位だと思う。
最初の6カ月は1日12時間くらい寝ていた。
決してだらけていたわけではない。
起き上がる事ができないのだ。
いや、正確に言えば動けなくなったというより、動く気力が無くなった。
この「動く気力がない」というのは、おそらく同じ病気になった人にしか理解できないかもしれない。
いま思えば、「なぜ、その時動けなかったのだろう」と思う。
だが、当時は確かに動けなかったのだ。
そして、残りの6カ月は1日3時間くらいしか寝れなくなった。
この時、一番迷惑したのが、まわりにいた家族だろう。
僕の中で「諦めたくない」という気持ちも、この時は無くなりかけていた。
⇒うつ病の始まり・・・・・自らの経験より
パートとして働く
約一年間休養した後、体調は少し回復していた。
妻とも相談し、正社員ではなくパートとして仕事を探す事になった。
そして、短時間で働ける会社に就職した。
その時は、とてもうれしかった。
初めて就職する気分だった。
絶対に挫折したくないと思った。
だが、実際に働き始めると、ブランクのせいで本当に大変だった。
うつ病が完全に回復していたわけではなかった為、体調が悪く休む事もあった。
それでも、何とか1年務める事が出来た。
この時も、まだうつ病は治っていなかったが、自分に少し自信が持てる状態になっていた。
それは、無理のない労働時間で働いたからだと思う。
この時に病気の回復と比例して自信を少し取り戻した。
一番覚えているのが、自分も胸を張ってご飯を食べてもいいのだと思ったことだ。
この感覚は同じ病気になった人にしか理解されないのかもしれない・・・
うつになり追い込まれると、「自分は価値のない存在だ」と思うようになるのだ。
そして、気が付くと自分の中で「諦めない気持ち」が強くなっていた。

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うつ病が回復し正社員として働く
パートとして2年間務めた頃から、働きながら正社員の仕事を探し始めた。
なぜなら、体力も回復し、自分自身に自信が持てる様になったからである。
そして、正社員の仕事についた。
今の所、何とか頑張れている。
だが、「再発」には十分注意し無理をしない事を心がけている。
⇒【ブラック企業 体験記】僕が体験してきた事 全て実話です!!
うつ病についてのまとめ
うつ病は本当に恐ろしい。
心の底から、絶対にもうなりたくないと思っている。
なぜなら「生きている」実感がなくなるからだ。
そして、他人にも理解されずらい事が恐ろしい。
それは、見た目では分からない場合があるからだ。
以前から見ると、【うつ病】は世間に認知されている。
それでも、「気の弱さ」からくる病気だと思っている人もいる。
確かになりやすい人と、そうでない人がいる。
だが、誰でもなる可能性のある病気である。
「うつ病」が悪化すると、笑う事が出来なくなり、食事の味もしなくなり、景色は白黒へと変化する。
そんな恐ろしい病気だ。
うつ病で苦しんでいる人の中には、仕事に復帰しようと必死で頑張っている人も多いと思う。
気持ちは痛いほどわかる。
だけど、無理をしないでほしい。
「諦めない事」と「無理をする」事は違う。
無理をすると、結果的に遠回りする事になってしまう。
そして難しいけれど、自分の状態を客観的にみて、自分を褒める機会を増やしてほしい。
そうする事が仕事への復帰の近道だと思う。
この文章が、誰かの苦しみを少しでも和らげる事が出来れば幸いです。
きっと、いつの日か「諦めない気持ち」が形になる事を応援しております。
最後まで読んでいただき心より感謝いたします。
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