【プロ野球の舞台裏】道具係 元プロ野球選手 入来祐作の仕事とは?

僕は、元巨人軍、入来祐作選手の生き方が大好きだ。
それは、ドラフト1位で巨人に入団し、主に中継ぎとして大活躍したにも関わらず、
引退後は、全く正反対の用具係という裏方の仕事につき、努力したからだ。
普通ならば、ある程度活躍した選手であれば、その様な仕事はプライドが邪魔をすると思う。
だが、彼は用具係をプロフェッショナルな姿勢でしっかりと取り組んだのである。
その用具係の時の奮闘ぶりを紹介したい。
彼の書籍 用具係 入来祐作 〜僕には野球しかない〜 から主なエピソードを紹介する。
バッティングピッチャー
入来選手がプロ野球選手を引退し、初めてついた裏方の仕事が横浜ベイスターズのバッティングピッチャーである。
バッティングピッチャーと言えば、バッターに気持ちよく打たせるために、ストライクを投げ続ける・・・そういったイメージがないだろうか?
僕は、それ程大変な仕事ではない印象を持っていた。
皆さんもそうではないだろうか?
だが、実際は30分間の間に150球以上を投げ込むそうだ。
その投球間隔は1分間に5~6球だという。
150球というと、約1試合分の投球数だ・・・・
とんでもなく、ハードな仕事である。
入来選手は、書籍の中でそのハードさを「死ぬかと思った」と表現している。
元プロ野球でさえ、そう感じると言う事は、素人ではとても務まる仕事ではないだろう。
さらに、横浜のバッティングピッチャーの仕事はそれだけではなく、練習で使う道具の準備、グラウンドの整備など、ありとあらゆる仕事があるとの事だ。
投げる事もさることながら、並大抵な体力では決して務まらない仕事だと感じた。
⇒斎藤雅樹 ジャイアンツの大エース そのピッチングの凄さとは?
用具係
入来選手は、バッティングピッチャーの後に「用具係」を任される事になる。
この「用具係」の仕事は、本当に幅広い。
- ブルペンの設営、バッティングマシンのセッティング
- 早出練習の選手の為の、準備、片付け、そして練習相手
- ユニホームなどの洗濯物についての業者との打ち合わせ(ほぼ毎日)
- バッティングマシンやゲージなどのチェックや補修
上記が、書籍で挙げられているものの一部である。
とんでもない仕事量だと思う。
「用具係」というよりも、選手の「マネージャー」という方が近い気がする。
入来選手はこれらの、仕事内容を先輩から、わずか2週間で引継ぎを受ける。
仕事のボリュームからいうと、最低でも1カ月以上は必要な所だろう。
実際に、そのプレッシャーから眠れない日々を過ごしたそうだ。
だが、その厳しさも「プロ野球選手」と同じなのだろうかと僕は感じた。
必死に入来選手が仕事を覚える中で、感銘を受けた言葉がある。
それは、「寝たら大切な事を忘れそうで寝たくなかった」という言葉だ。
この言葉を読んだ時、僕は情けない気持ちになった。
なぜなら、僕は今まで同じような気持ちを抱いた事がないからだ。
それなりに、努力してきたつもりだが、まだ努力が足りないのだろう。
初心に戻る
入来選手は球団から戦力外通告を受けた後に、元巨人の桑田選手に誘われ野球教室を手伝っている。
そして、野球教室が終わった後に、「これからは謙虚に生きなさい」という言葉と生活費を手渡させたそうだ。
まるで、入来選手の生きる道を示すかのような素晴らしい言葉だと感じた。
また、入来選手も、しっかりと桑田選手の言葉を受け止め、
- 人に感謝の気持ちを伝えよう
- 話を聞いてもらったら、きちんとお礼を言おう。
- 何かをしてもらったら、ちゃんと頭を下げよう。
と固く決意をしている。
この事が、裏方の仕事についても、入来選手が周りから認められる一番の要因だと感じた。
でもどうだろう?
桑田選手のように、運よくしっかりしたアドバイスをくれる人がいたとしても、ある程度の年齢になると、それを素直に受け入れるのはとても難しい事ではないだろうか?
桑田選手の言葉は勿論、それをしっかりと受け入れ実行した、入来選手は素晴らしいと感じた。
「プロ野球選手」であっても、「裏方」であっても、「会社員」であっても何の仕事であれ、
すべては、謙虚な姿勢であり、人を思いやる人間性が一番大事なのではないか・・・・
そう改めて強く感じた。
最後まで読んでいただき、心より感謝いたします。
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