北海道日本ハムファイターズ 底知れぬ強さの秘密とは?

プロ野球の開幕前は、いつも下位に予想される。
だが、その予想を覆し、気が付けば優勝争いを繰り広げているチーム。
それが、北海道日本ハムファイターズだ。
2019シーズンも首位ソフトバンクに1.5ゲーム差の2位につけている(2019.7.26現在)
贅沢な資金があって、オフに強力な補強をしているわけではない。
では、なぜ日ハムは優勝争いをする事が出来るのか?
それは、ダルビッシュ有、大谷翔平などに代表される様にドラフトでの補強に成功しているからだ。
また、他球団が目をつけない台湾の王選手を獲得するなど、補強が柔軟である。
さらに、若手を積極的に一軍で起用し育て上げるチーム方針は見事である。
そして、これらを可能にしているのが栗山監督の手腕である。
2012年にチームを率いてからリーグ優勝2回、そのうち一回は日本一になっている。
また、2012年から2018年までBクラスになったのは、わずか2回だ。
日本ハムの過去のチーム力から考えると、見事としか言いようがないだろう。
北海道日本ハムファイターズの底知れぬ強さの秘密をまとめてみた。
日ハムのくじ運の強さ
日本ハムはドラフトで恐ろしいほどのくじ運の強さを見てせている。
清宮幸太郎 | 7球団 |
中田翔 | 4球団 |
斎藤佑樹 | 4球団 |
有原航平 | 4球団 |
この様に主力となる選手をことごとく引き当てているのだ。
このクジ運の強さが結果的に、日本ハムを支える形になっている。
また、他チームと競合しても必要な選手を取りに行くという、チームの姿勢の表れでもあるだろう。
あのメジャーリーガーの大谷翔平も日ハムから指名を受けるまでは、メジャー入りを表明していた。
それを栗山監督が【二刀流】を提案し口説いてみせたのだ。
ちなみに、日ハムは巨人の菅野投手もドラフトで指名し、交渉権を獲得している。
結果的に、入団とは至らなかったが、【日本のエース】となった投手だけに、指名する価値は十分あったといえるだろう。
柔軟な補強と選手起用
日ハムといえば選手の補強に特徴がある。
ソフトボールで活躍していた大嶋選手をドラフトで補強したり、台湾で活躍していた王選手を獲得したりしている。
共通しているのは、固定概念を持たないと言う事だ。
また、このスタイルは栗山監督の選手起用にも表れている。
例えば、4割バッターに一番近いとされる近藤選手も、元々のキャッチャーではなくバッティングを生かす為、サードや外野で起用している。
キャッチャーで打撃が良い選手は他のチームにも存在する。
だが、他のポジションを守る場合、そのほとんどがファーストだ。
近藤選手の様に、サードや外野を守るのは極めてまれである。
また、2013年に入団した白村投手は2019年に栗山監督自らの勧めで野手に転向している。
こうした、選手の特性を生かすことが出来るのが、日ハムの最大の強みだろう。
そして、その最大の成功例が、大谷翔平選手だろう。
いまや、当たり前となった二刀流だが日ハムに入団し、栗山監督の下でなければ実現しなかった事だ。
160kmのスピードボールと、豪快なホームランを見る事ができたのは栗山監督の力による所が大きい。
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日ハムの戦術
日ハムは2019からバッターによって、極端な守備位置をとっている。
たとえば、左打者で引っ張る傾向にある打者の場合、サードをセカンドとファーストの後ろに立たせているのだ。
これは、メジャーリーグではよく見られる事だが、日本のプロ野球にはまだ浸透していない。
さらに、同じくメジャーでは一般的な【オープナー】と言われる投手起用も採用している。
これは、先発投手と言う概念を持たず、一人の投手が2~3回ずつ投球していくというものだ。
もちろん、成功する時ばかりではない。
だが、いろいろな事にチャレンジしていく事に意味があるのではないだろうか?
なぜなら、戦力的に上のチームに勝つためには、戦略的な工夫が必要だからだ。
北海道民は日本ハムを愛している。
それは、決して満足とはいえない戦力でも、必死に戦う姿をみせてくれているからである。